記憶について

記憶について

前回までで暗記については一通り紹介をしましたので、
今回からは記憶についてをお届けします。

それでは、まず今回は記憶についてのメカニズムをお
伝えいたしましょう。

●記憶の形成と忘却のメカニズム

記憶は月日を重ねると薄れていくものです。また年寄
りになると年々直近の出来事さえも即座に思い出せな
くなります。

このような記憶障害にも似たことは何故起きるのでし
ょうか。

以上は誰しもが認めていることです。しかし、腑に落
ちないのは、強烈に印象的な出来事はいくら年を重ね
ても決して忘れないばかりか、その記憶そのものもつ
い昨日の出来事のように鮮明に覚えているということ
です。

それらの記憶については、その瞬間瞬間の出来事を思
い出すのも実にたやすいことです。

しかし、その反面昨日の夜に食べたものさえ思い出せ
ないというのは多くの人が経験していることであり、
ある程度の年齢に達している人なら、まず間違いなく
共通して心当たりがあるはずです。

記憶に残るものと、即忘却されてしまうものはどこが
どう違っているのでしょうか。

そして、記憶が年を経ると薄れていくのは何故なので
しょう。

これらは記憶のメカニズムを知ることで解き明かされ
ます。

人は何か行動を起こすと、その体験そのものが電気的
な信号にと変換されて脳細胞中のニューロンと呼ばれ
るネットワーク間を駆け巡ります。

その時、その信号は脳の一定の記憶領域に、数分の間
保存されることになります。

そして、短期記憶の領域である海馬という部位を経て
長期記憶の領域である部位に移動をし、記憶に関する
脳内の複数部位に記憶が定着します。

脳の神経細胞であるニューロンはシナプスと呼ばれる
接続部分を通して、細胞間でそれぞれ情報の受け渡し
を行っています。

そして、この細胞同士の伝達が盛んになればなるほど
神経細胞同士の繋がりは強固なものになるのです。

細胞同士の繋がりが強固になれば、情報の伝達効率も
比例してUPします。

この神経細胞同士の繋がりはLong-term potentiation
長期増強と呼ばれており、細胞同士が結びついて出来
上がった結果のメカニズムであると言われています。

以上が、記憶が形成される場合のメカニズムになりま
す。

では、人がものを忘れてしまう場合はどうでしょうか。

一般的に言われていることは、加齢によって神経細胞
が衰弱するということです。

先ほど説明したシナプス同士の結びつき=働きが加齢
によって弱まってしまうのです。

また、年齢を重ねることで細胞の数そのものも減少し
てしまうため、脳の大きさも重さも小さく、かつ、軽
くなってしまうのです。

また、短期記憶の領域である海馬は10年周期でその細
胞の全体の5%が失われるとも言われるため、この点
においても記憶は月日を重ねると忘却されていく運命
にあるわけです。

神経細胞が減れば神経への伝達物質も同じように減り
ます。すると、当然細胞同士の繋がりも弱っていき記
憶を留めることが困難になってゆきます。

また、細胞数が減ると、記憶を引き出すことにも障害
が発生します。

以上のプロセスを経て人の記憶は薄れていくのです。

つまり、結論としては年齢には勝てないということな
のです。

次回は、新しい記憶を形成するプロセスとそのメカニ
ズムを紹介したいと思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

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